「鉄・病原菌・銃」

たまには真面目なことも書いて自尊心を満足させてみようのコーナー。
Civilizationのマップをぼーっと眺めていて、思い出したこと。
ジャレド・ダイアモンドと云う人が書いた「鉄・病原菌・銃」という人類学? の本を昔読んだのですが、これがなかなか面白かったです。学問的かつ厚い本なので、読むのには苦労しましたが。内容は、ある人の言を借りると「なぜ『人種的に劣っている』西洋人が世界を征することができたのか」について様々な分野から横断的に述べた本です。まあ、西洋人というかユーラシア人ですね。
たとえば、現在世界で家畜化されている動物は10種程度(だったかな?)なのですが、これはたまたまそれらが有用だったから広まったわけではなく、単純に家畜化できる動物が世界にそれだけしかいなかったからなのだそうで。馬は家畜化できるけど、シマウマは家畜化できないんだそうですな(「家畜化できる動物の条件」というものが列挙されていました)。また、家畜化された動物や、栽培可能になった農作物といった文化文明は、気候分布の関係上、東西には容易に伝わりますが、南北にはなかなか伝播しません。よってどうなるかと云うと、東西に広い大陸であるユーラシア大陸では、各地に点在していた有用な動植物を融通しあい、豊かな文明を発展させていくことが出来た、と。
つまりどういう事かと云うと、初期配置が全てって事っすよ。
ちなみに書名の「病原菌」ですが、家畜と共に生活を送ってきたユーラシア人は様々な病原菌にさらされることとなり、子孫を残し自然淘汰されていく上で、「病気に強い」という事が最も重要なファクターになりました。優秀な頭脳とかは2の次なわけですね。他方、有用な家畜も農作物も得ることの出来なかったミクロネシアとかの人々は狩猟採集生活を送って行く上で、頑健な肉体、鋭敏な頭脳をもっていなければ生き残れず、結果そういった方向に淘汰されていく事となりましたとさ。あっちこっちの現地人を征服していったスペイン人とかの最も協力な武器は彼らが持ち込んだ病原菌だったそうで。